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監督インタビュー

若手の出演者は全てオーディションで選んだということでしたが。

今の若手にどういった俳優さんがいて、その人たちとどう一緒にやれるのかっていうのを探ってみたいという気持ちもあったので。
それにセリフの量が半端じゃなく多いのできちんとお芝居ができるという人たちを選びたかった。
でも本当は何人か一緒に仕事はしたかったけど人数の枠とかで参加できなかった方もいるので残念だなと思います。

オーディションはどういうオーディションを?

映画の中のある場面を演じてもらいました。もちろんその場で死んでくれというのもありました。
皆さん思いっきりやっていただいて。こっちが考えているよりも上手でしたね。

実際の撮影現場ではどういった演出をされたんですか?

事前にリハーサルを結構やっていたのと内容的に現場の条件に左右されるというのは殆どなかったので予想以上にスムーズに進みました。
とはいえリハと本番は違いますから、役者さんの表現や癖をみての調整指示や、共演者とのアンサンブルですね。
お芝居の間を丁寧につめるということもしました。あとはカメラワークとの入念なコラボレーションです。

登場人物それぞれの“最期”は監督が考えたんですか?

いえ、自分で指示したのはほとんどいないと思います。
物足りない人にはもっとやってくれっていうのはありましたけど、それはそれでなんか、コロッと逝くのもアリだなと。当然、死ぬ前は苦しむだろうから、それは表現してくれっていうのは言いました。
でも実際に目の前で死ぬ演技をされるのはきつかったですよね。演技とわかっていても結構くるっていうか。それぞれ役割があるんですよ。死に方にもね。こういう風な死に方、次はこういう風な死に方と緻密に計算されているんで。お母さんだったり、子供を身ごもっている彼女だったり。
前田君の原作の戯曲っていい加減な会話と流れに見えて相当細かく計算されているんですよね。それは一読して分っていたんですが。撮っていく中で相当練られているなって。
相当長い年月をかけて作られている戯曲なので、ものすごいリアルさと構造計算が行き届いていて、そのことは編集してても改めて思いました。

そうだと思います。そうでないと映画だとワンアイデアでは飽きると思うんですよね。

例えば、脚色の段階で前田君とも話して、この役ははいらないんじゃないかと提案したこともあったんですけど、かなりカチッと出来上がっていて、何故いるのかっていうことを説明されて、十分納得したんですよね。ゆるぎない構築ができている。初めてですねセリフを読んでこれは一字一句変えなくてもいいんじゃないかと思ったのは。
映画では俳優さんのアドリブ含めてアップデートしている箇所もありますが、絶対に自分では書けないセリフの応酬なので尊敬しました。
今まで映画はダイアログに頼るものじゃなくビジュアルで見せるものだと思ってきましたけど、改めてそこを鍛え直すきっかけにはなりました。僕らの日常は会話で成り立っているんで。

新しい発見があったという?

チャンレジですね。お芝居に関しても、セリフに関しても。

最後になりますが、今の映画界について監督が思っていることは?

今までのやり方で映画を作れなくなったんでしょうね。非常に早いスピードに変わってきていると思うし、その変化は今後ますます早くなりますよね。
だから作れなかった時に、自分が撮りたくても難しかった意欲作は仕方がないにしても、何本も向こうから監督依頼がきて誠実に対応しているのになんで1本も成立しないの?ってそう思う時もありましたけど、世の中は常に変化するわけだし、状況が厳しければ厳しいほど逆に鍛えられるわけだから。
だからこそ、そういった状況の反動から生まれてくる映画は当然、鋼で打ったような映画になると思うし、より個性の強い映画になると思います。
過去がこうだったと言っても、全く意味がないというのは分かっていますし、ますます自分は打たれ強くなるっていうことなんでしょうか。

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